こんにちは、種本です。
皆さんのお手元には最新のDMは届いていますでしょうか?
昨年はペットボトルのボジョレー・ヌーヴォーが象徴していたように激安ヌーヴォーの価格競争が大手スーパーや百貨店で行われました。そして今年も一部の輸入業者から価格を抑えるためにペットボトルのヌーヴォーや激安のヌーヴォーが発売されるとか。。。
価格を下げることがお客様のためならば、私たちもペットボトルのヌーヴォーや収穫を早く行うことで、輸送ルートや時期をずらして安く仕入れてきたりしたほうがいいのではないかと本当に悩みました。
しかし、それがお客様のためだとは私には思えませんでした。
なぜなら毎年ヴィノスやまざきのボジョレー・ヌーヴォーを楽しみに待ってくれているお客様がいます。
さらにボジョレー・ヌーヴォーからワインを知る人も毎年たくさんいます。
本当に完熟したぶどうから作られた本当においしいボジョレー・ヌーヴォーでなくてはそういったお客様に本当に満足していただけない。ワインに関わる人間として低価格なだけのボジョレー・ヌーヴォーで未来のワインファンを減らしてはいけない。
全てのお客様のためにできることは何なのだろうか。。。こういった想いで今回、私たちはここボジョレーへやってきました。
まずはじめに訪れたのは、頑固親父パスカルさんが当主のドメーヌ・シャテルス。
ただひたすらに寡黙に仕事を続けるパスカルはこちらが不安になるくらいにマイペースで、最初彼の口から出てきた言葉は、私たちの期待を裏切る言葉でした。
パスカル:「夏までは雨が多くとても大変な年になった。」
全員:「えっ?」
パスカルは続ける・・・
パスカル:「難しい年にこそ造り手の力が発揮される。金賞を獲得したのもそうった造り手の力が試される年。去年はどんな造り手もうまく造れる年だった。今年は多くの生産者の畑に病気が広がっているために葉が黄色くなっている。」
種本:「じゃあパスカルの畑も、病気で今年はいいぶどうが造れないってこと!?」
パスカル:「・・・まさか。僕にそんな失敗はあり得ない。僕は畑の手入れに妥協がないから、今年も良いぶどうが出来る。今年のヌーヴォーは、過去金賞を受賞した2005年や2007年と同等の品質に仕上がるだろう。」
種本:「ほっ。だったらもったいぶらないで早く言ってよ!」
気難しい職人と話すのは、一苦労です・・・
たしかにここに来るまでの間に見た畑は葉が黄色くぶどうの色づきが悪く決して綺麗な状態ではありませんでした。それに引き換えパスカルの畑は葉が青々としていてぶどうも色づきがよく完熟しているように見えます。
大変な年にここまでのぶどうができた理由は彼の仕事ぶりにありました。
彼は毎日のように畑にでてひとつひとつのぶどうの木の状態をチェックし、明日の天候を考えながら
15年以上こだわっている有機肥料を使用したりと、彼の努力の積み重ねでしっかりと完熟したぶどうを育て上げていました。
口にふくむと弾けて、甘くみずみずしい味わいが口いっぱいに広がりました。
決して過度なセールストークを言わないパスカルが今年はニコニコと自信に満ちた表情で最後に
パスカル:「このぶどうが答えです。誰よりもいいワインになるでしょう。」
その言葉を聞いて、今年もヌーヴォーをやろう!と決心しました。
パスカルが最高の仕事で最高のぶどうを作ったように、私たちにとってこのぶどうから最高のヌーヴォーを造り、お客様のもとへ届けることが最高の仕事だと心から思えたから。
10月の終わりに、彼とともに最後のアッサンブラージュを行うためにまたこの地を訪れます。
自信を持ってパスカル・シャテルスのワインを皆様に必ず届けます!
待っていてください!
種本 祐子